99年夏以降 劇場で観た新作映画の感想です (基本的にビデオ・DVD鑑賞した作品は含みません)


007 スカイフォール 
007 スペクター 
007カジノロワイヤル
007/慰めの報酬
12人の怒れる男
13歳の夏に僕は生まれた
13人の刺客
15ミニッツ
20世紀少年
20世紀少年(第2章)最後の希望
20世紀少年(第3章)僕らの旗
2012
21g
4ヶ月、3週と2日

50/50 フィフティ・フィフティ 
60歳のラブレター
7月24日通りのクリスマス 
96時間/レクイエム 





2015/12/27 【 007 スペクター 】

007 スペクター」を観た。
オープニングは女性とタコがぐにゃぐにゃしていてグロいんだけれどアーティスティック。なんでタコ?の謎はタイトルにもある悪の組織スペクターのマークということで後ほど明かされていく。
サム・スミスによる主題歌は前作「スカイホール」のアデルの歌声と同様に今回もとってもダイナミックでスタイリッシュな世界観へ誘う。
なにはともあれ最初の舞台のメキシコの‘死者の日‘のシーンが迫力満点。ゾンビ風に化粧した群衆で埋め尽くされているお祭りをクレーンと空撮で丸ごと収める映像に圧倒された。ここがあまりにすごくてその後、ローマのカーチェイスやオーストリアの雪山アクションやモロッコの列車アクションがフツウに見えてしまったような。
ダニエル・グレグは相変わらず華麗でまた再会できてそれだけでもうれしいんだけれど、細かいところでつっこみどころも気になる。
脳への拷問シーンはいくらなんでもいただけない。ダメージあり過ぎてその後のアクションには?だし、本作の2人のボンドガールが微妙。最年長というモニカ・ベルリッチの出番が一瞬で後の展開に絡んでこないし、もう一人のボンドガールがなんだかイマイチ印象が薄くこの人に惹かれるのが理解できなかった。
今回ボンドが対峙していくのが自分の過去なのでこれはやはり前作「スカイホール」の流れを汲んでいてそれが本作で完結していることや、ラストシーンでボンドが取った行動も相まってやはり噂通りに本作でダニエル・クレイグ版007は最後になるのかもしれないと思わされた。






2015/1/24 【 96時間/レクイエム 】
96時間/レクイエム」を観た。原題は「Taken3」
リーアム・ニーソンってここんとこ、何かに追われながら真相を突き止めるみたいな似たイメージの役柄が多くて、ある意味予定調和。
今回は娘を助ける父親という設定なのはわかるけど、じゃ娘さえ助けられたら何でもアリなのかというくらい一般人の犠牲には目もくれない。
どんな絶体絶命にも不死身なのも、そもそもでITに長けている元CIAが勝手にスマホをいじられるほど不用心なのもまぁご都合主義。
フォレスト・ウィテカー演じるドッツラー警部はなかなか味があるものの証拠のベーグルって食べちゃっていいの???だし、きりがないくらいこーいうつっこみどころは全般にわたっている。
映画の本筋とはちがう次元でこれはこれで楽しめるからまっいいかっ。





2012/1/16 【 007 スカイフォール 】
007 スカイフォール」を観た。007シリーズ誕生50周年記念作品にして23作目。
オープンニングでまず見せ場がある。ハンパないアクションが続いた後でボンドが誤射されて川の中へ。ええっと思わせるこの展開に重なるタイトルバックが実にスタイリッシュ。やがて上司のM(ジュディ・ディンチ)の話に繋がっていく。ハビエル・バルデム扮する敵役シルヴァがボンド同様Mに仕えていた‘もう一人のボンド’という設定も良い。
今回ボンドガールの登場もごくわずかで存在感は非常に薄く、実質のボンドガールはMだった。敵を倒しボンドガールと仲良くするプレイボーイのジェームズボンドではないというのもこれまでの定石を覆している。
タイトルの‘スカイフォール’はスコットランドのボンドの生家がある土地の名前でボンドの生い立ちも紹介しており、確かにこれまでの集大成の作品となっている。
主題歌♪ Skyfall (byアデル)もドラマチックでイメージにぴったり




2012/2/22 【 50/50 フィフティ・フィフティ 】
50/50 フィフティ・フィフティ」を観た。
27歳生存率50%のガン宣告を受けた青年が主人公。と言ってもいわゆる闘病映画とは異なり、明るさが特徴。
これは主人公アダム役のジョセフ・ゴードン=レヴィットのひょうひょうとしたケロっとしたキャラによるところが大きいのだけれど、この映画は何と言っても主人公の友人カイル役セス・ローゲンに尽きる。シリアスな闘病中にあるアダムに対してよそよしくなる周囲の中、ただ一人変わらないカイルの悪ふざけなやりとりは不謹慎なようでいて実は重苦しくなりがちな空気を未然に防ぎ、この行動の裏にあった深い友人への思いに胸がつまった。
なんでもこのセス・ローゲンの親友がガンを克服したこの作品の脚本家だというから男同士の友情は実体験ということで説得力があったのかも。
自分が同じことをできるかというと難しいケド、こんな親友がいたらなぁと思わずにいられない。後味ばつぐんのハートフルな作品だった。




2010/10/1 【 13人の刺客 】
13人の刺客」を観た。
三池崇史監督による1963年のオリジナルのリメイク作品。三池監督+「斬って斬って斬りまくれ」で浮かぶのが、同監督の「IZO」。なんかIZOの時の無茶ぶりが予想されて果たしてどうかなと不安ながらの鑑賞だったけれど、オリジナルがあるせいなのか意外にもオーソドックスな作りだった。
涼しい顔をした非道な将軍の弟斉韶をSMAPの稲垣悟郎が演じている。巷ではかなりこの悪役ぶりが好評のようだけれど、決して上手いとは言えない棒読みの台詞も冷血漢にはぴったり合っていてアイドルが演じる役柄としてはギャップが良かったということかも。
13人の選ばれし刺客達の半分くらいまでしか把握できなかったけれどそれでもラスト50分のえいえんと続く死闘の迫力は相当なもの。13人の刺客vs300の明石藩軍勢の行方は・・・!!宿場全体に仕掛けられた迷路・爆薬・炎の猛牛・弓矢etcの様々な罠が興味深い。と、それにしても・・・仕掛け攻撃が終わってからの刀での死闘は、相手が130人くらいなので1人当たり10人で済むハズなのにどー見てもそんな数じゃなく斬っても斬っても、無傷の敵がわんさか現れるのは計算が合わないような・・・。
13人の中でも松方弘樹の太刀捌きがずば抜けて上手い。野人の伊勢谷友介の不死身ぶりは無茶ながらあのラストには何か暗示があったのでしょうか?
チャンバラ大活劇の魅力に満ちた見ごたえあるエンターティメントだった。




2009/11/21 【 2012 】
2012」を観た。
何しろ想定が3年後ということだし、天変地異危機説もささやかれているだけに‘あり得ない話’として娯楽映画として切り離せるものではなく話題性も注目度も高い。
こーいうパニック映画ではよく「人間が描けていない」という批評を目にするけれど、これでもかという大地震・地割れ・津波・火山弾・溶岩etc地球の崩壊シーンがこんだけ描けていればある意味充分なのではないでしょうか。
所謂‘すごい映像’というのには麻痺気味ではあるもののこの迫力の凄まじさには圧倒されちゃう。この高揚感はテーマパークのアトラクションに乗った気分にも似ているかも。
主人公(ジョン・キューザック)が直面していく危機や家族愛に関してはこの手の作品ではまさにステレオタイプなので良い意味でも悪い意味でもどんな場面でも‘安心’して観ていられる。こーいう作品にヒューマンドラマとしての感動を求めるものでもないでしょうし・・・
まぁ生死を分けた登場人物に関しても想定内ということで上手く収まったような。
人間は二の次という意味で印象の薄いキャスト陣の中で唯一ロシア人役の富豪を演じたジョン・ビリングスレイが際立っていたように思う。アニマル浜口似と思ったのは私だけ?
結果的に人類を救うことになったのが某国の技術によるものだったワケだけれど、「さすが○○だ」の台詞には苦笑。まぁ半端ない経済成長をしているから3年後の設定としてはリアルなのかも・・・とはいえ現段階では媚びてるような・・・(-_-;)




2009/9/7 【 20世紀少年<最終章>ぼくらの旗 】
20世紀少年<最終章>ぼくらの旗」を観た。
ここまでひっぱってきた‘ともだち’の正体がシリーズの最終章ということでいよいよ明かされる。
なななんと肝心の正体が判明するのは・・・155分とやたら長い本作のエンドロール終了後の10分程の本編続きの中。いくらなんでもここまでひっぱるとは(-_-;) エンドロール後も席を立たないで下さい的な作品は他にもあるけれど、なんか今回はおまけ的なものではなく この10分こそが要なのでこの演出はかなりのサプライズ。 
ともだちが誰かと犯人探しが目的だったけれど 結果的にはこれよりも ともだちが何故生まれたのか ともだちは何だったのか に重きを置いていたので感慨深かった。
この最終章では映画オリジナルの結末の情報漏れを防ぐためにエンドロール後のラスト約10分をカットした特別編集版が上映された為、劇場公開以前で、製作スタッフの中でも結末を知っていたのは監督含めわずか数名に留まったという。製作スタッフなのにこの10分を知らされてないって…いったい・・・お気の毒。
相変わらず豪華なキャスト名が続くエンドロールで「あれ?出ていたっけ?」という気になる名前が・・・その後の10分で彼に会え納得。子供の成長は早いっ。お楽しみに。





2009/5/16 【 60歳のラブレター 】
60歳のラブレター」を観た。
中村雅俊・原田美枝子、井上順・戸田恵子、イッセー尾形・綾戸智恵の3組のカップルをうまく絡ませながら描く。家族として破たんしている中村雅俊・原田美枝子の夫婦、恋愛に慎重にならざるおえない井上順・戸田恵子のカップル、イッセー尾形と綾戸智恵の口が悪いながら仲が良い理想の夫婦、この3組3様の事情が身近にもありそうで中盤までとってもしんみりと感情移入できた。
それぞれのビミョウな心情を見事に描いていたと思う。が、ネタばれになるので詳しくは言わないけれど、3話とも泣き所のクライマックスへの展開が強引過ぎて後半に失速したような。
特に違和感あったのは3組の中でメインの中村雅俊・原田美枝子のカップルで、なんか男目線の願望映画・・・ってことで思い出したのが「像の背中」。耐える妻にかなり同情したものの・・・結局あの選択とは う〜ん やっぱわかんない。




2009/2/6 【 20世紀少年(第2章)最後の希望 】
20世紀少年(第2章)最後の希望」を観た。
前作で残した謎がどこまで解明されるのかが楽しみだったが、それに今作の謎も加わり一層もやもや感。上映時間も結構長いのでここまでくると引っ張り過ぎの感。
今回のキャストの中で特に印象的だったのがサダキヨ演じたユースケ・サンタマリアとヒロインであるカンナの同級生役の木南晴夏の2人。木南晴夏は日テレのドラマ「銭ゲバ」で相当インパクトがある登場をしていたが、今作でも全く別の役作りで印象的だった。‘原作のまんま’ がウリのようなので、そういう意味では原作を先に読んだ方がそれぞれの役作りを含めて完成度を楽しめるのかも。
全編あり得ないシーンがちりばめられている中、古い家屋「ともだち博物館」には、当時の匂いそのままコミック誌やグッズがあふれていて懐かしさたっぷりで、「大阪万博」が妙に現実感たっぷり。春波夫先生の万博のテーマ曲♪も気色悪過ぎてなんだか笑える。
半年後公開の最終作第3章で何もかもスッキリ収束するのかどうか・・・やはり待ちきれない。




2009/2/1 【 007/慰めの報酬 】
007/慰めの報酬」を観た。
ダニエル・グレイグのボンドになって2作品目で、近作は前作「カジノ・ロワイヤル」のエンディングから1時間後という設定なのでまさに続編的作品。
前作を観て久々に007が面白く感じただけに今回もかなり楽しめた。
ロンドン→中米のハイチ→オーストリア→イタリアのトスカーナ→ボリビア→ロシアと次々に怒涛のように舞台が変わりスタイリッシュな冒険とアクションは飽きることがなく、しかもダニエル・クレイヴはリアリズムにこだわり、全編にわたりほぼスタントを使うことなく、実際に過酷なシーンを演じ切っているという。
ただ、従来の007といえばお楽しみの「改造新兵器」もなく、どちらかというとシリアスなアプローチだったので、似たようなスパイ映画やアクション映画と「007」との差別化を出すのは難しくなってきているのかもしれない。砂漠に建つ現代建築も違和感。
でもこの濃さでなななんと106分とコンパクトにまとまったのはお見事。邦題の「慰めの報酬」は原題「Quantum of Solace」をほぼ直訳したものらしい。
ボンドとボンドガールに共通するのが‘復讐’。その復讐が果たして慰めになるのか、それにより何の報酬を得るのか・・・となんともわかりにくいけれど、ラストのボンドの台詞「死者は復讐など求めない」に、それでも復讐を果たすボンドに抑えきれない強い感情を感じる。
たまたま歯医者の待合室で手に取ったGQ Japanが「007の秘密」という特集だった。007シリーズ全22作にわたっての、ボンドが愛したホテル、シャンパン、ファッション、クルマ・・・。
ボンドの徹底したライフスタイルを紹介していて興味深い!!




2008/9/24 【 12人の怒れる男 】 
1957年のアメリカ映画をリメイクしたロシア映画「12人の怒れる男」を観た。アカデミー賞外国語映画賞にもノミネート。
チェチェン人少年の継父殺人容疑をめぐる12人の陪審員の審議。体育館を舞台にした密室会話劇。
一部屋の中で、二転三転しながら事件の真相に迫ろうというストーリーは大好きな邦画「キサラギ」と共通している。

12人のおじさん(ビジネスマン・ユダヤ人・芸術家・タスシー運転手・TV会社社長・カフカス出身の医師・芸人・墓地の管理責任者・建築家etc)のそれぞれの人生経験の吐露から現代ロシアの問題点を浮き彫りにしてこれが有罪無罪判断への分岐点となっていく(ミハルコフ監督自身が陪審員の1人として出演)。
今回は最終的な展開はおよそ察しがつくものの
160分という長い上映時間が気にならないほどグイグイ引き込まれた。
独房の中の少年・体育館に迷い込んだ鳥の羽ばたき・少年の悲惨な記憶のフラッシュバックを何度も挿入しているのが一種のリズムとなっているのに加えて、ピアノ演奏・ナイフさばきのシーンの挿入が効果的。
日本で2009年から陪審員制度がスタートすることを思うと1人の人間を裁くとはこんなに重い意味を持つということを改めて考えさせられる作品だった。




2008/9/1 【 20世紀少年 】

浦沢直樹のコミック原作の「20世紀少年」を観た。
なんでも1999年〜2007年まで連載され約2000万部の大ヒット作とのこと。かつてビッグコミックスピリッツの愛読者だったため半分くらいは原作を読んだ影武者さん談によると‘原作のまんま’ という印象だったらしく、これが原作ファンの中でかなり評価が分かれていることにつながっているのかも。
今回は3部作の導入部なので今回謎のままだったあれもこれも後の2作でどの程度謎が解明されてスッキリするかが今後の課題。
新興宗教が「友民党」として国会へ進出というのは某団体とリンクするものがあるけれど、ここまで信者を集めたカリスマ性の背景が描かれていないのが残念。
政治権力もあり警察まで味方にしている敵に対して7人が戦いを挑むにしては戦略が大雑把で説得力に欠けているような。
でもまぁ「トモダチ」って誰?何故にハットリ君のお面?etcと謎をいっぱい残してくれたので、この先が知りたくてたまらない。次作は半年後かぁ 待ちきれない。
愛車でよく聴くCDに「20TH CENTURY BOY」が入っているの

20th century toy, I wanna be your boy
20th century toy, I wanna be your boy
20th century toy, I wanna be your toy
20th century boy, I wanna be your toy

最近の鼻歌は専らコレ TREX いいねっ





2008/6/28 【 4ヶ月、3週と2日 】
2007年カンヌ国際映画賞パルムドール受賞作の「4ヶ月、3週と2日」を観た。
1987年のルーマニアでの中絶事情は1950年のロンドンを舞台にしたイギリス映画「ヴィラドレイク」を思い出させ、違法行為と知りつつこれに関わった人もがどんなに危険だったかをつきつけてくる。
この映画では主人公がルームメイトの為に奔走した1日を描く。
ルームメイト・闇手術をする医者・主人公の彼氏・ホテルの従業員etc救いようがなく描かれていて、特にルームメイトの自分勝手さに呆れるばかり。まぁ冒頭の「キャンプに行くみたいね」の台詞からこのルームメイトの人間的ズレは予感できたけれど・・・。
融通のきかない管理された社会背景とともにルーマニアという国の閉塞感に息が苦しくなってくる。一体何回「ID」という言葉が出てきたことだろう。しょ〜もない人々&しょ〜もない状況だけに、それでも1人駆けずり回る主人公にチャウシェスク大統領による独裁政権の異常さを感じた。
テーブルを挟んで座った2人のなんでもない会話で唐突のエンド。そして映画の救いのない雰囲気とかけ離れたエンドロールで流れるラブソングはあまりに‘ノー天気’。このラブソングこそが私達のお気楽な現実の象徴なのかも。




2006/12/10 【 007 カジノロワイヤル 】

現代を舞台にしながら、ジェームズ・ボンドが007になるまでの話を絡め、これまでのボンド像を作り上げた、‘ルーツ’とも言える物語。

近年007シリーズが面白くなくなったのは一体何作目からだったろう。ピアース・ブロスナンにいたってはあまりにボンド役とイメージがそぐわなくて観ようとも思えなかった。が、6代目となる今度のダニエル・クレイグは良い。007ってこ〜んなに面白かったっけという感想。ボンドが初めて人を殺すシーンや本気での恋愛をみせてくれる。人に歴史あり。冒頭のアクションシーンは高所恐怖症気味の身には本当に心臓バクバクでものすごい迫力。次々各国でのシーンはまるで旅行気分だしカジノの心理描写は目が離せなく全編楽しめる。ボンド流マティーニの「ジン3+ウォッカ1+キメイ・リレ1/2+薄切りレモンの皮」は是非試してみたい。

ただヒロイン役のエヴァ・グリーンだけはかな〜り不満。この女優さんが着飾るのに比例する化粧の濃さには辟易。他の映画同様今回もしかり・・・(-_-;)。化粧落ちたシャワーのシーンの顔の方がよっぽど良い。ってことで次回以降のボンドガールに期待。





2006/11/5 【 7月24日通りのクリスマス 】

予定していなかったものの「フラ・ガール」までの時間に間に合いそうということで急に観ることになったのが「724日通りのクリスマス」。
電車男でエルメスを演じた中谷美紀による女版「電車男」ということで気になっていた作品。
素が素なのでダサイとまでは言えず構わないというか磨いていないだけですがあのエルメスがイケテない・・・。そしてMOTE(モテ)服を身に付け華麗なる変身!!地味な色合いから真っ白い服へというのも効果倍増で気合いの入った中谷美紀はエルメスを彷彿させる以上にキラキラ。
と私はまさに「電車男」とダブらせていたのですが、長女は妄想好きなヒロインを「アメリ」と重ねて観ていたそうです。なるほど・・・。
クリスマスに王子様と結ばれるっていう発想はまさに漫画チックで恋に恋する夢見る乙女そのもの。甘〜〜〜い!

教会のシーンにアレ??ということもあり無理な展開が残念だったものの、現実となると乗り越えなきゃいけない山で押しつぶされそう。そんなヒロインに一喜一憂しながら、エールを送りました。脇役陣はクスクスッと笑え、佐藤隆太のパラパラ絵には胸がつまった。
長崎と交差するリスボンの街並みも素敵で「724日通り」に是非行ってみたい。BGMALLクリスマスソングの王道♪メリークリスマス!!





2006/10/9 【 13歳の夏に僕は生まれた 】

伊映画「13歳の夏に僕は生まれた」を観ました。
オープニングが♪ルビーズ・アームズ by TomWaits で、エンドロールには落ち着いたピアノの音色。どちらも作品を表していて良い。

少年を表現するものが裕福な実業家の家、クルーザー、バイク、そして周囲からの深い愛情で、対する不法移民の兄妹?を表現するものは、ぼろぼろの密航船、腐った果実、一杯の水、収容所、そして誰も信じないこと。

キーワードの「生まれたからには、もう逃げも隠れもできない」というアフリカの言葉に生きていかなくてはいけないという想像を超えた重い叫びが感じられるよう。

純粋、無垢、無邪気な善意が通用しない現実と無力さを知ることが大人の階段を昇るということに通じていくのはやり切れなさ過ぎて、その少年の気持ちをそのまま表しているようなエンディングが秀悦。

唯一この分かり易いようでいて冴えないっていうかダサイ邦題だけは残念。(原題はOnce you’re born





2001/6/04 【 15ミニッツ 】
 TVの映画紹介でデ・ニーロの結末を聞いたので興味が半減でしたがそれを払拭するくらい面白い。 テンポ良くストーリーが2転3転するサスペンスアクションです。 展開が読めなく緊張感が持続するのがたまらない。 ロシア人犯人に一人殺せば犯罪者、大量殺人だと有名人になれる国と言われるアメリカっていったい・・・殺人者にファンができる状況は尋常じゃない。 高視聴率を撮るため過激なスクープ映像を流すのがマスコミの倫理なのかしら。これは痛烈なメディア批判ですね。 カメラの前では誰もがタガが外れてしまうっていう怖さを思い知りました。 デ・ニーロの共演E・バーンズがリチャードギア似で本物より素敵! 

 

2004/8/7 【 21g 】
CMで「21グラムは人が死ぬ時に失う重さである」と大変興味深いことを流していましたが、どうもこの映画全体からみるとこのタイトルはしっくりこない。21gが命の比喩にしては物語に深くかかわっているとは思えないのよね。 なんかまるで死んでから髪や髭が数ミリ伸びるからといって「○○mm」というタイトルをつけるのと似てませんか?考えすぎかなぁ。 「2002年my best10」で6位をつけさせていただいた「アモーレス・ペロス」と同じ監督ですが、過去、現在、未来のぐちゃくちゃごちゃごちゃ断片的なカットが最後はつながっていてこの映画もとても面白い。 頭使うの苦手なタチで途中どーなることかと思ったけど私でも大丈夫でした。 この映画は心臓移植という大きなテーマをとりあげているけれど誰の背後にもある病気、交通事故の可能性を考えるとすっごく身近。 気づいていないだけで不幸は手の届く範囲にあるものなのよね。 どーしましょ。 登場人物3人それぞれの苦悩はものすごいけどこの不幸な3人が「それでも人生は続く」というメッセージを残してくれました。

 

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