99年夏以降 劇場で観た新作映画の感想です(基本的にビデオ・DVD鑑賞した作品は含みません)







2016/2/21 【  Xミッション 】
X-ミッション」を観た。
「世界トップアスリートによる、至上最もガチなアクション!」というだけあって、モトクロス、サーフィン、スノーボード、ウィングスーツフライング、ロッククライミングなど全てが、まぁとてもCGなしとは思えなく超超超人間離れしたアクションは本当にお見事。
休む間もなく仲間が一人また一人と脱落していくプロットが想定できるのでハラハラドキドキでもう怖くて正視できない。
FBI捜査官がアスリートチームによる犯罪集団に潜入するプロットにおいてその犯罪目的となっている8つの修練というのがどうもぼやけているのが難点。
多数のダイアモンドをを盗んでインド・ムンバイの貧民窟に撒き散らし、空飛ぶ現金輸送機から札束をメキシコの村の上空で解き放つなど、当初は貧しい地域へ向けた意図のある犯罪かとおもいきや、亡き活動家オザキが目指していた修養でそれは環境保全がどうのこうのだとかわかりにくい。
「オザキ8」が「フォースの噴出」「空の誕生」「大地の覚醒」「荒れ狂う水」「風の躍動」「氷の生命」「六命の極意」「究極の信頼」というものらしいけれどそれも観念的でさっぱり伝わってこない。
とってつけたようなストーリーが邪魔なのでただただアクションと自然の迫力を堪能するのが正しい鑑賞かも。





2014/9/3 【 STAND BY ME ドラえもん 】
STAND BY ME ドラえもん」を観た。
藤子・F・不二雄の生誕80周年を記念して製作された「ドラえもん」初の3DCGによる映画化。
お馴染みのドラえもんもTVで観なくなってどれくらい経つのか…? 特に声優が一新して、新ドラえもんの声が水田わさびになってから10年間は無沙汰だったので月日の流れに自分でも驚く。
冒頭から馴染みのあるドラえもんのひみつ道具の登場にわくわく。
いつものび太が難なく使いこなしているタケコプターも慣れるまでの様子が3D映像もあいまって危なっかしさがスリリングで一気に引き込まれる。あこがれの空飛ぶ夢も3Dだからこそ実感できるのが新鮮。
このままだと借金まみれでぱっとしない未来なのを、ずっと好きだったしずかちゃんと結婚し幸せになるよう変えていけるのか?というのがテーマ。
のび太は、ドジで、意気地無しで、勉強が嫌いで、運動神経が悪くて、泣き虫で、面倒くさがりで・・・だけど、自分よりしずかちゃんの幸せを願うところがミソ。出来杉君にしずかちゃんのことをお願いしたり、自らは嫌われようとしたり、ジャイアンに一人立ち向かう様子も、なんか不器用だけど一生懸命でのび太らしい。もう泣かせるよねぇ。
時代設定が1970年半ばという昭和の時代設定もうれしい。なんでも八木竜一監督と「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴が共同監督だそうで、そりゃ昭和の描き方はさすが。
まぁそれから14年後があまりに近未来都市になっているのが突っ込みどころだけれど、描かれている首都高や街並みはワクワクするほどダイナミックでそれだけでも楽しめる。
もちろん子供は楽しめるだろうけれど、もしかしたらなんか酸っぱい気分になってしまうもうドラえもんを卒業したつもりの大人向けの映画なのかもしれない。





2014/8/3 【 GODZILLA  ゴジラ 】
GODZILLA ゴジラ」を観た。
主人公は日本で起こった原子力発電所の事故で、母を失ったフォード。それにしても原発が地震で倒壊ってまるで福島なので、冒頭からその直球ぶりに驚く。親とフォードのエピソードが良いので妻子のドラマは余分だったかもしれない。
ムートーの出現で日本から始まる各地のパニックは原爆・水爆から原発事故まで、延々と罪深い過ちを繰り返す人類への警告。ムートーは放射能を食べるだけでなく常に電磁パルスを放っているという設定も見逃せない。
現在進行の原発を絡めギャレス・エドワーズ監督が「21世紀版ゴジラ」を作ってくれた。ただの怪獣映画としての娯楽性にだけ逃げ込まずに、そこにある現実的な問題と正面から取り組んだ。日本映画として描けそうにもない原発・核・東日本大震災とリンクするものを絡め踏み込んだ点はすごいことなのかも。
最新VFXを駆使したパニックシーンはド迫力でハワイの大惨事はまるで東日本大震災の津波シーンを彷彿させる。次々に街が飲み込まれて破壊されるシーンは震災直後だったら直視できなかったかもしれない。続いてラスベガス・サンフランシスコと馴染み深い街での大暴れはそりゃもう破壊の極み。
ゴジラが全身を現して咆哮するシーンは本当に迫力がありこれぞ「ザ・ゴジラ」という感慨にふける。
あっラストにゴジラが静かに海に戻るのだけれど、あのサンフランシスコは高放射能エリアとなったので、、同じく放射能で生きているゴジラが摂取してから姿を消していてくれたこと願います。





2014/4/9 【 LIFE! 】
LIFE!」を観た。
原題は「THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY」。海外に住む家族から 「MITTYすっごく評判良いょ」とは聞いていたけれど「LIFE!」になるとは・・・。雑誌「LIFE」が鍵となっている点も含めて珍しく極めて上出来の邦題といえるかも。
写真編集をする地味で奥手な主人公ミッティ(ベン・ステラー)が、最終号の表紙のネガを探して、カメラマンのショーン(ション・ペン)を探す旅に出る。
空想家という意味では先日観た「白ゆき姫殺人事件」の主人公と重なる。それ故、人に誤解されがちな面も不器用で臆病な面も重なる。
行く先がグリーンランド・アイスランド・アフガニスタンというのがミソで壮大な自然とともに旅というより冒険でドラマティックったらない。アイスランドのスケボーシーンはその爽快感がダイレクトに伝わってきた。
ミッティの顔つきがどんどんワイルドに変わっていく様子がみもの。この映画が良いのは、一人の平凡な男の成長物語に終わっていないこと。
変わることが良いというよりも、誰にも評価されていなかったはずの平凡な中にもちゃんとその人がきらめく瞬間があるということがポイントで、それを伝えたのが主人公と対極の生き方をする憧れのカメラマン視点からというのが良かった。
生きている間に、生まれ変わろう!!





2013/5/4 【 L.A.ギャングストーリー 】
L.A. ギャング ストーリー」を観た。
1940年代のロサンゼルスに暗躍したギャング、ミッキー・コーエンvsロサンゼルス市警の警官たちの極秘部隊(ギャンスター・スクワッド)を描く。原題はそのものずばりGANGSTER SQUAD。
警察や政治家をも意のままに操るほどの力を持つコーエンに対抗するために、警察のバッチを外しまるで‘警察がギャング化’…これが実話ベースとはなんともすっごい話。
アメリカのギャングといえばなんと言っても有名なのがシカゴのアル・カポネで、サンフランシスコでアルカトラズに行った時にもついアル・カポネばかりに関心が行っていたけれど、歴代の有名囚人のパネルにこのミッキー・コーエンもあったらしい。アルカトラズ行く前にこの映画観ていたらなぁと思わずにいられない。
映画では非情の限りの人物像が映し出される。敵や失敗した部下を殺すにしてもやり方の残虐さが異常とも言えて、15-R納得のエグ過ぎシーンは正視に耐えられない。ショーン・ペンはこの極悪非道なカリスマを怪演している。
リーダー的な熱血警官オマラ(ジョシュ・ブローリン)と優男系のジェリー(ライアン・ゴズリング)を中心に正義感ある異端児の面々がそれぞれのスキムを活かして対抗していくのは爽快。
ただ…ジェリーが怖い者知らずにも敵の女性と知ってて恋仲になるっていうのは使い回されたありがちな展開だけに残念。
ラストのオマラとコーエンのガチの血みどろのタイマン勝負は、ド派手な銃撃戦やら爆破シーンの後だけにちょっと予想外。
全体的に113分とコンパクトにまとめたのは良かったし、エンドロールのノスタルジックなL.A.を描いたイラストもレトロ感いっぱいでかなり楽しめた。





2012/4/28 【 HOME 愛しの座敷わらし 】
HOME 愛しの座敷わらし」を観た。
原作は朝日新聞に連載された荻原浩の小説「愛しの座敷わらし」で、東京でぎくしゃくしていた家族が田舎の古民家で暮らすうちに絆を取り戻す物語。
見どころはやはり岩手の遠野にあるという築200年の古民家。去年「遠野ふるさと村」に行ったことがあるけれど、あんなに立派だったかと改めて黒光りのする柱や梁・磨きかけられた板の間・囲炉裏・茅葺屋根etcその味わい深い佇まいに魅かれてしまった。
座敷わらしとはこの世にうまれながら間引かれた子どもの化身だという。子供らしくイタズラはするけれど遊びも美味しいお菓子の味も知らず、その運命のゆえか、その家の人たちに福をもたらすという。オーディションで選ばれたという無邪気さと哀しい過去もった座敷わらし役の子供がとても愛らしい。
父親の左遷・母親のストレス・娘のいじめ・息子の喘息・祖母の認知症とそれぞれかかえる問題についてちょっと中途半端。岩手の自然についても、牧歌的なきれいどころだけ映しているけれど、東北は厳しい冬もあってこそ本来なのでどうにも片手落ち。





2012/2/18 【 ALWAYS 三丁目の夕日'64 】
ALWAYS 三丁目の夕日'64」を観た。
今回は昭和39年の高度経済成長に突き進む日本の姿がここにある。東京オリンピック・みゆき族・新幹線開業・カラーテレビの台頭・東洋の魔女の人気etc・・・うまくエピソードに絡め、やっと物質的な豊かさと心の豊かさを矜持できるようになったこの時代の人々の密な繋がりりを笑いと涙で描いている。それにしても「アタック!」シーンは秀悦で爆笑。
時代再現のクォリティは言うまでもなく安心してどっぷりノスタルジーに浸れる。もちろんベタと言ってしまえば確かにベタベタ・・・でもこの懐かしい情景は心の中に確かにあるもので琴線に触れまくり。
今回の軸は六ちゃんの結婚と淳之介の巣立ちということになるのだけれど、それにしてもこのシリーズを通して見る淳之介役の須賀健太に対しては成長を見守る親戚のような気分にさせてくる。
夕日町三丁目のお馴染みの住民たちにまた会いた〜い。





2010/9/8 【 BECK 】
BECK」を観た。
仲間たちとバンドを組み、メジャーデビューを目指して奮闘する高校生たちが、さまざまな試練を乗り越えていく姿を描く。若手イケメンのキャスト集結ってことでも話題になっているけれど、イケメン以前に演技が下手な水嶋ヒロに唖然。脇役のカンニング竹山のほうがよっぽど上手い。
コユキ(佐藤健)の‘奇跡のボーカル’ という設定がこの映画を難しいものにしているので、生半可なものは披露できないというのは理解できるけれどこれじゃ映画化する意味がない。
最初は観客の表情やイメージ画像で想像力をふくらませる手法もOKだろうけれど、クライマックスまでもそれってあり? なんでも原作者の意向だったということなのでコユキに罪はないけれど、ここは吹替えでも構わないから、コユキのボーカルを聴かせてもらいたかった。ここまで白けさせ落胆の対象となってしまった佐藤健がある意味可哀そう。
そんな中、この映画の登場人物の中で圧倒的に存在感を放った桐谷健太のラップのパフォーマンスは文句なく圧巻だった。





2010/6/18 【 RAILWAYS 】
RAILWAYS49歳で電車の運転士になった男の物語」を観た。
仕事に追われ、家族を省みることのなかった49歳のエリートサラリーマンが、ふと人生を振り返り少年の頃の忘れていた夢を追い求めるストーリー。一体世の中のどれだけの人が心からやりたい仕事に就き満足しているかというと・・・かなぁ〜り少数派なのでは。現実はいろんな縛りでがんじがらめで、もう一つのあったかもしれない別の人生に踏み出す勇気も余裕もないものかもしれない。本作ではそこに一石を投じるというのではなくあくまで‘こんなケースもあるんだよ’ってさりげなく提示している。
夢の仕事に就いた主人公肇(中井貴一)と夢をあきらめてなんとなく仕事に就いた宮田(三浦貴大)の対比も織り交ぜて描く。
それにしてもまぁ主人公の変化はわっかりやすい。就活中のムスメにかける言葉ひとつとっても「うかうかすると就職できねえよ」から「焦る事はない。ゆっくり考えたらいいまぁのんびりやるさ」になっちゃうんだもん。

そして何と言ってもこの映画の見所は舞台となった80年前の電車が現役で走っている島根のローカル私鉄「一畑電鉄」通称バタ電。加えて、肇が訓練を受ける京王電鉄などの払い下げ車両「デハニ50形」の木製の車体も鉄ちゃんには魅力らしい。舞台となった一畑電車でロケ地の島根の風景を旅するツアーも人気だとか。
後半に騒動のきっかけとなった携帯学生の登場はあるものの,主人公を取り巻く人々があくまでもあたたかく、バタ電が走る風景とあいまって ほっとする気持ちになれる。家族の絆もうまく絡め優しさに満ちているけれどこの安心感はある意味予定調和の域を出ていないとも言えるかも。





2010/3/30 【 NINE 】
エア・カナダの機中にて「NINE」を観た。
シカゴ」のロブ・マーシャル監督だしアカデミー賞受賞者をこれでもかと共演させたまぁキャスティングの豪華なことか。
ダニエル・デイ=ルイス演じる映画監督をめぐる女性陣にマリオン・コティヤール、ソフィア・ローレン、ジュディ・リンチ、ニコール・キッドマン、ステイシー・ファーガソン、ペネロペ・クルス、ケイト・ハドソン・・・名前を羅列しただけで豪華絢爛でピカピカ。
それぞれの女優が各自の出番にセクシーな色気をこれでもかと魅せあう。特に70代のジュディ・リンチが旬の30代の女優に並ぶステージを魅せたことには脱帽。どの女優もさすがにダンスも歌もそれぞれ半端ない。最初はすごっと感心もしたのだけれどでもそのうち各自のパフォーマンスにもだんだん飽きが・・・なんとなくまるで繰り返し肉食系の各女優のPVを観ているような。
主人公があっちにもこっちにも調子の良い八方美人の‘だめんず男’なのに女性にモテまくるっていうのもストーリーとして全く面白みなし。っていうかストーリーはあってないようなもんだけど・・・。
というわけでやたらゴージャスなのにもかかわらずなんか盛り下がってしまった。





2009/11/30 【 Disney'sクリスマス・キャロル 】

Disney'sクリスマス・キャロル」を観た。 

チャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」といえば、これまで何度か映画化されている中で、「ミッキーのクリスマスキャロル」は子供が小さい頃に繰り返し観た。なので馴染み深いものの、今作は3D鑑賞ということもあり予想以上の半端ないバージョンアップとなっていた。臨場感たっぷりで画面も暗いこともあってく幼児向けからも脱却し大人が楽しめる。
ロバート・ゼメキス監督は「ポーラー・エクスプレス」でも素晴らしいパフォーマンス・キャプチャー&CGアニメーションの技術を見せてくれたものだけれど今回3D映像となり更に極まった。
「ポーラー・エクスプレス」ではトム・ハンクスが1人5役分の声を演じたと話題になったが、今回はジム・キャリーが17役だという。私の観たのは日本語吹き替え版だったので、代りに山寺宏一の見事な声優ぶりを堪能できた。ジム・キャリー以外にもゲーリー・オールドマンも3役を演じるというのも見どころだったのだけれど、実際にはあまりにデフォルメされていて誰が何をやっているかよくわからなかったので、そこらへんも楽しみにしている方はあらかじめ情報を入れてから鑑賞したほうが無難かも。
空を飛ぶシーンなどはまるでディズニーのアトラクションそのもの。ただ3D映像も驚かされるのは最初であとは慣れるものらしく、観終わって‘疲れた’という感想があるのも納得。
『今のあなたは、昔‘なりたい’と願っていたあなたですか?例え今は「Yes」と答えられなくても、人は変わることができる』というメッセージは160年前も今も変わらず切々と心に響く。
ロバート・ゼメキス監督が「ポーラー・エクスプレス」に続きまたしてもクリスマスの名作を生んでくれた。





2009/3/10 【 ZEN禅 】
道元禅師を描いた「ZEN禅」を観た。
規制仏教に疑問を抱き‘只管打座’ を説きその時代を導いた曹洞宗の開祖道元の生涯を描いている。まず驚いたのは日本人俳優の中国語。笹野高史も然りでどんだけ苦労して習得したことやら・・・特に主演の中村勘太郎にいたっては台詞の3分の1が中国語だったとか。その台詞がどれほどの完成度かはわからないけれど、それでも重厚感たっぷりで全く違和感がなかった。
歌舞伎界の伝統芸能で生きているだけあって中村勘太郎は映画初主演とは思えない存在感であの声の張りはさすがだった。
禅語は難解だし専門用語も多いけれど道元という人物の凛としたぶれない生きざまに心が洗われるような気持ちになり映画を通じて成長できたような・・・。
「春は花、夏ほととぎす、秋は月、冬雪冴えてすずしかりけり」と詠んだ代表的な和歌にリンクする映像美も見応えあった。たまには日頃の毒を消してくれるような映画も良いものです。
おりん役の内田有紀絡みで寺を去る俊了役の高良健吾が、この数日後に観た「フィッシュストーリー」でも抜群の存在感があった。





2009/1/10 【 K-20 怪人二十面相・伝 】
Kー20 怪人二十面相・伝」を観た。
子供のころの愛読書はもちろん「怪人二十面相」。明智小五郎・二十面相と聞くだけで嬉しい。
この映画の前提となっている第2次世界大戦を回避してできた独自の社会は、富裕層と貧民層の2極化でまるでカースト制度そのもの。なんかこの不景気の社会ニュースとリンクするのよね。
貧民街で貧しいならがらも好きなサーカスをしていた主人公(金城武)が二十面相に騙されて二十面相として追われていく・・・という中で、明智小五郎(中村トオル)と組んだあたりからの展開はなかなか面白かった。
主人公に絡む泥棒指南役を演じたベテラン國村隼が良いっ!頭がきれてすばらしい技術者。発明した小道具がこの映画大活躍。去年の「パコと魔法の絵本」でぶっとびの女装をしていたけれどこちらでもさすがの存在感。
ただ世界征服の秘密兵器あたりが、どうしても超SFなので昭和のあの古〜い雰囲気がこれで吹き飛びそうになってしまいそうなのがなんかもったいない。
ということで江戸川乱歩のあの重い世界感とは別物だけれど意外にも楽しめた。





2008/10/28 【 P.S.アイラブユー 】
P.S.アイラブユー」を観た。
いきなりの夫婦喧嘩のシーンから始まった。ヒロインが一方的にプンプン文句あれこれで性格的にきっつそ〜ってのが冒頭で伝わってくる。
これに反して旦那役のジェリー演じたジェラルド・バトラーが、エンターティナーだしユーモアあふれて優しいし何より奥様にぞっこんだしぃ・・・「300」でローマ帝国を背負ったたくましさ健在だし 非の打ちどころがなくアイルランド男の魅力全開。
ジェリーの故郷のアイルランドでの二人の出会いのシーンは、こーいう風に恋が始まるってのが伝わってきてなかなかなんだけど、やはり冒頭のシーンを既に観ているだけになんだかねぇ。なんかヒロインが口うるさく旦那をなじりまくるようになっても愛されていたことに結び付かない。良い妻といえなかったことが呵責となって死後立ち直るのに苦悩したってのを描きたかったのかな?でもヒロインがどんなに悲しくつらかったとしても、この映画はよっぽど恵まれているパターン。それが本物の愛かどうかはともかく、フツウは次の出会いとかそんな簡単にあるもんじゃないでしょ。
後半どーにもならなくなったヒロインに母親が言った「一人で歩いていかなきゃいけないけど一人なのはあなただけじゃない」みたいな台詞だけは思い切りストライク。
ヒロインの衣装は今年の流行らしいチェックを意識したもので素敵だった。





2008/7/31 【 P2 】
P2」を観た。
タイトルのP2とは「地下2階の駐車場」。
美人の主人公が白いドレス姿で、ストーカーから逃げ惑う。
ビルの地下駐車場で正門が閉鎖され、電灯が消え、携帯も通じないって大都会の死角。実際にあったフランスでの事件を元に考えられたというから そう日常にかけ離れたのもでないことがコワい。
いつも何気なく利用している駐車場って確かに人気がないと不気味。そーいえば横浜在住時に長後駅付近の日中でも薄暗い駐車場をドキドキしながら利用していたことを思い出した。
本来ホラー系の心臓バクバク映画は苦手なので、この作品のギャーギャーキャーキャーのヒロインの叫び声と、来るぞ来るぞと思わせる効果音に結構びびった。
血しぶきもありで こーいうの苦手(-_-;)





2008/6/17 【 JUNO/ジュノ 】

わずか7館での上映が口コミhitしアカデミーで主要4部門ノミネートした「JUNO/ジュノ」を観た。
10代の望まない妊娠をめぐる一連のことが、驚くほど淡白に描かれている。
よくわからないけれど多分にギャル語チックなスラング満載なのと、責任を自分で背負い人に押し付けずイジイジしない主人公の前向きさがアメリカでは受けたのかも。
でも、妊娠を取り巻く環境も日本と違いがあり過ぎることと、何より周囲の物分りの良さに戸惑ってしまった。
父娘の会話の後、何を思ったかこれまで隠していた気持ちにJUNOが気付くシーンがあるけれど、「腹を見ないで顔を見てくれる」というあの優柔不断のボ〜ッとした彼にはドン引き。加えてアノ里親の旦那はなんじゃい・・・子供じみていて呆れるばかり。
どよ〜んと重いテーマをいかにライトに描くかがこの作品のテーマなのかもしれないけれど、こんなんで良いワケないじゃんというのが正直な感想。





2008/4/2 【 SweetRain死神の精度 】

Sweet Rain 死神の精度」を観た。
金城武が人が死を迎えるまでの7日間を観察し死の執行or見送りをジャッジする死神を演じている。
人間に興味ゼロという死神の役故からかあまりに棒読みなのも役作りなのか?人間への反応がないのは良いとしても会話のズレは笑いどころなんだろうけれど笑えない。(-_-;)仕事の合間に大好きなミュージックを聞くのが唯一の楽しみという死神はターゲット3人のそれぞれの時代(1985年、2007年、2028年という設定らしい)にミュージックを楽しみそのシーンでそれぞれの時代考証を描いている。
この映画は3つの話がオムニバスのように展開していき実はリンクしているというもの。
が、それにしても・・・3つ目に登場の富司純子はミスキャストではないでしょうか?人の人生には色々あって性格もその中で変化するとしても、もう少し伏し目がちで気配りがあっておどおどしているカケラでもないとしっくりこないのよね。3つ目に登場するロボットも違和感ありまくりで無いほうがマシ。しかもロボット以外で20年後を想像するのは難しいし・・・。映画は消化不良ながら、これは映画ではなくTVドラマでシリーズものとして細切れにした方が正解かも。





2007/11/13 【 ALWAYS 続・三丁目の夕日 

2005年公開された「ALWAYS 三丁目の夕日」から2年、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を観た。
東京オリンピック開催が決定し羽田空港・東京駅・特急列車こだまetcと高度成長期の昭和34年が舞台。
前作はこれでもかというくらい涙腺を刺激しまくったものだが、さて今回は・・・?。
親戚の子供を預かる・戦友・同窓会・のら犬・給食・映画全盛時代・元恋人との再会・霜焼けetcと多くのエピソードを描きながらも何故かどれもこれも感動が中途半端。心にジンとくるのは軒並みところどころに織り込まれる前作の感動シーンというのもなんだかなぁ。
特に親戚の子供や許婚との再会はあまり必要性を感じなかったのでそこを削ってでも、逆にあまりにさらっと描かれていた戦友とのエピソードをもっと丁寧に描いてくれていたらと残念でしょうーがない。
ただ忘れたくない昭和のあの時代と「三丁目」の人たちに再会できたことだけは純粋に嬉しかった。





2007/11/5 【 onceダブリンの街角で 】

アイルランド映画「onceダブリンの街角で」を観た。

全米で2館の公開から口コミで132館まで上映館を増やしたそうだ。アイルランドで絶大な人気のザ・フレイムスのボーカルが主演。監督はザ・フレイムスの元ベーシスト。
ストリートミュージシャンとチェコ移民の2人は音楽を通し、恋とも友情ともつかない感情を歌が代弁している。心を打つメロディーと身近な言葉で綴られる歌詞で表現した歌がいくつも挿入される。まさに愛より強いメロディだ。そしてこの男女には役名がない。有名になるにはアイルランドからロンドンに出て行く。
ギターひとつで飛び立とうとする彼も、無償で積極的にその手助けをする彼女も、市井の人々へのさりげない希望の象徴。





2006/8/30 【 UDON 】
讃岐うどんをテーマにした「UDON」を観ました。
本広監督の郷土愛がぎっしり込められているだけに香川の地元には何より嬉しい作品でしょう。県民栄誉賞モノかもしれません。
9割実話ということで、実際のおみせの方々の表情はのどかな風景とマッチしてとっても良いスパイスになっています。が、フジTV「特ダネ」でもしきりと褒めまくり+PRしていましたが、本編でも似たような場面が・・・なんかフジTV色出し過ぎかも。
全体的には「ノビきったうどん」という感じ。なんかくどい。これでもかというブームをたたみかけるシーンもくどいし、後半の父息子の会話も表情だけで伝わるのに全部台詞にしているのもくどい。エンドロール後のお楽しみにつながる付箋になっているとはいえ「キャプテンUDON」という特撮は果たして必要だったのでしょうか?
あれもこれもと盛り込み過ぎたと思える分 監督の思いが強いとも言えるかもしれませんが・・・。
それにしても醤油で食べるうどんがあるとは知らなかった〜。「裏で勝手にネギ掘って」というシーンが受けた。改めて考えると讃岐うどんってもしかしたら食べたことないかも。是非シンプルなの食べてみた〜い。





2006/4/5 【 RIZE 】
シネマライズで初日2日間の成績では(GAGA作品中)歴代記録となった「RIZE」を観ました。憤りと怒りをダンスにぶつける‘闘い’と称され現在「クランプ・ダンス」と言われる攻撃的なダンスは、創始者トミーザ・クラウンの「クラウン・ダンス」から発展したもの。冒頭に「この映画の中のダンスは早回しではありません」とテロップが出るのですが、確かにスピード感が凄まじい。全米で最も危険な街を語るに十分なL.A.サウスセントラルで生きていくには「ギャングorピエロ」の選択しかない と言い切る若者達の言葉に絶句。allダンス映画ってだけで行ったのですが、あまりの迫力に大会(バトル・ゾーン)では感動でじ〜〜んとなりました。今作が映画デビューとなるデヴィッド・ラシャペル監督は、新進気鋭の天才フォトグラファーというだけあって映像が多角的で鋭い。高揚感・美しさ・力強さをこれでもかと魅せてくれます。「I got to rize」と言う台詞の重さも感じました。





2006/1/16 【 THE 有頂天ホテル 】

半年に1度くらいにある胃痛で数分おきに胃がきりきりしながらの鑑賞。このくらい体調が悪くてもコメディだからいいかと思ったのですが・・・具合悪い時のドタバタコメディは疲れたぁ。多くの出演者それぞれにエピソードがあり上映時間と同じく年が明けた2時間後にはそれぞれ輝いていたというハッピー気分をもらえそうな内容だけに何故大晦日を狙った年末あたりの公開にしなかったのでしょう。ホテルというひとつの建物の中で人がひしめきあいドタバタやっているのを観るのは、まるでターミナル駅のコンコースの雑踏をかきわけ歩くような疲労感でした。クスッとする箇所は多いのですがオダギリジョーや唐沢寿明や西田敏行や伊東四朗がやるから面白いというように、これは台詞より豪華俳優陣によるところが大きいかも。





2005/12/17 【 SAYURI 】
原題「Memoirs of a Geisha(ある芸者の思い出)」。スピルバーグ製作、リブ・マーシャル監督、主演チャン・ツィイーのハリウッド映画「SAYURI」を観ました。ヒロインは伝説の芸者という割には花街のしたたかな女性陣の中でも強さが感じられなく存在感が中途半端。それに比べ本音むき出しでヒロインに敵対心を抱く芸者役のコン・リーの存在感の方が遥かに上回っていました。ラブストーリーとしても波乱万丈の半生としても日本人でさえ謎の芸者にスポットを当ててもどれも弱くて物足りなく、映画の焦点が合っていたのは本音むき出しで嫉妬と憎悪うずまく花街の女同士でした。ただ外国から見た日本のイメージそのままの絵葉書のような映像の数々は申し分なく美しかった。




2005/11/7 【 ALWAYS 三丁目の夕日 】

「携帯もパソコンもTVもなかったのに、どうしてもあんなに楽しかったのだろう」と謳っているように東京タワーが完成する年の豊かではなかったけど明日への夢があった昭和の時代。昭和33年はまだ生まれていなかったのでまさに親の青春世代でしょうが、なんという懐かしさでしょう。巷でも白黒テレビで力道山の試合を見せ懐かしいポスターを貼りBGMに昭和歌謡を流す飲み屋さんが人気です。この映画での当時の再現した映像はあまりに見事で一見の価値あり。駄菓子屋、ちゃぶ台、空き地の土缶、たばこ屋etc本当にディテイルが感動もので楽しめます。自分が子供だった頃にタイムスリップし、子供の頃田んぼの向こうに見た夕日を思い出しました。子供の頃、雑誌の付録には東京タワーの組立工作が入っていたっけ。忘れかけていた記憶が次々浮かんできます。

つぎ当てのセーター、子供の好物の焼鳥、クリスマスプレゼント、見えない指輪、故郷の母etcと何箇所ものエピソードに熱くなります。クリスマスについては親の立場として自分を重ねて、(これでも私もまともな親なのです)子供の夢を守ってあげる大人の愛にじ〜んとなりました(自己陶酔)。が、反面気になったのがこの映画を観る子供達と出演の子役。この子達はこの映画を通じて夢が壊れちゃうのでは?

フツウだったことがフツウじゃなくなって、当時のフツウを求めるのが難しいけれど、せめて人間関係はずっとずっとフツウでありたい。  



2005/1/29 【 Ray レイ 】
‘ソウルの神様’と言われグラミー賞を12回も受賞したレイ・チャールズの伝記。 監督が本人へインタビューしたものをもとにストーリーを書き上げ本人もこの製作に深く関わってきたというだけに映画の完成を待たず昨年2004年に他界してしまったのはとても残念です。 女癖が悪く薬におぼれる姿はまさにこれぞ由緒正しいミュージシャンのお姿!こーでなくっちゃ。 名曲はたっぷり聴けるし生い立ちに加え数々のヒット曲が生まれる過程が興味深く、長い上映時間が全く気にならない程楽しめました。 主演のジェイミー・フォックスはアカデミー主演男優賞ノミネートも納得の圧巻で、レイ・チャールズを支えた母親も素晴らしく心にジンときました。 エンドロールまでおなかいっぱい伝説のナンバーが楽しめます。

    

2004/11/13 【 IZO 】
私は予告編を観た段階で???で本編を観ることになろうとは夢にも思わなかったのですがどーしても観たいという影武者さんに折れて観るハメに・・・(影武者さんは1人で映画を観たのは20歳頃に2回あるのみだそーで今では私と一緒じゃないと映画館にも行けないおじさんになりくさったのです) つう訳で今回の感想はどーしても観たいと粘ったご本人に・・・(以下by影武者)
いるんですよね。こういう映画を批判する人が。訳分からないだとか、言う人が。 何処がわからないのか聞きたいですよ。きっとマトリックスなんか見ても理解できないひとなんでしょう。 最近はNHKの新選組ブームですが、IZOと聞いて、人斬り以蔵とか、幕末の土佐藩とかの史実を知らない人にはピンとこないだろうし存在の不条理さを問う、哲学的な基礎知識が無ければチンぷんかんぷんでしょうね。 きっと映画というのは限られた時間のなかできっちり理解できて、すっきり納得できる映画でないと とたんにけなす人が 大手を振って2chネルののりで暴言を吐く、そういったひとをみなIZOに一刀両断にして欲しいです。 細切れに出てくる脈絡の無いような挿入画面も、全て意味をもって迫ってきます。 しかしながら、どうあがいてもこの世の不条理さを解決することなどできないと知っている人だけが、斬って斬ってきりまくる、そしてその先にあるものが無明であるとしっているからこそ楽しめる映画だと思います。

  

2004/9/4 【 LOVERS 】
new映画館は上映前に館長の挨拶があるのですが「この映画は金城武の映画です」と言っていました。 つうことはヒロインは魅力無いってこと?と思ったらどんぴしゃり。 金城はさておき最初の30分くらいは見応えある舞踏シーンもあって前作「HERO」の感動と緊張が蘇えって展開に期待が高まったのですがそれ以外に良いとこ無し。 ラストのゾンビのようなヒロインには「これは……コメディorおバカ映画なの?」と笑ってしまいました。 比べちゃ悪いけど衣装も見劣りするしラストの雪のシーンは見づらいだけで正直つまらなかった。 いつも期待大のチャン・イーモウ監督にはもうこの路線やめて欲しいです。
前作にはあった 民を想い 国を憂う と言う 一流武芸者ならではの超絶した境地が この映画では 二重スパイの三角関係に落ちてしまいました。中国の偉人たちは墓の下で何を想うでしょうか。

    

2003/08/26 【 英雄 HERO 】
本国中国をはじめアジア各国で観客動員数や興行記録をビシバシ塗り替えたという待ちに待った作品。 ここ数年、好んで素人っぽい作品ばかり撮っていたチャン・イーモウ監督でしたが今回は西のマトリックス東のHEROといわれる超大作。 今年この監督の映画は「キープ・クール」に続き2作目になりますがホントこの監督映画はどれもこれも大好き。 あちこちで絶賛されているようにとにかく映像がきれい。 赤、藍、白、緑、黒という色分けは画面だけじゃなくワダ・エミの衣裳にも見られるけどあまりに色が綺麗なので衣裳デザインがどこれもこれも同じくみえてしまったのはしかたないかな。 紀元前3世紀の中国が舞台なんだけどこの時期日本は弥生時代・・・ってことは中国から米づくり、青銅器、鉄器が伝わって竪穴式住居に住んでいた???中国おそるべし・・・。 史実に基づいたものといえば「始皇帝暗殺」があって秦王は独裁者的なイメージでしたが今回はとても聡明に描かれています。 刺客の1人で悟りをひらいた男が、「自分は恋人の故郷に帰り普通に暮らしたかった」という男心も覗かせていて刺客同士の恋愛もポイントでした。 ってわけで全般に夢幻的でロマン色が濃いのも特徴。今回の刺客たちは、ビジュアル系で、どことなく夢の世界からやって来たような人たちです。 ただ美男軍団の中で主演のジェット・リーの肌荒れが気になったわ。 地が良いのだからエステにでも行ってネ。あれですべすべお肌なら言うことなし! 

       

2002/06/10 【 I am Sam アイ・アム・サム 】
 2002年アカデミー賞主演男優賞ノミネート。ショーン・ペンが知的年齢が7歳の父親サムを熱演。 所謂泣ける映画と言われているだけあって正真正銘ピュアな親子愛にどっぷり浸れます。 一緒に観た子供は泣いていましたが が が 泣きを期待したのに肝心の私の涙の登場はありませんでした・・う〜んやっぱ私は親の器に欠けているのかなぁ(悲) 上映前からこのサントラの評判は聞いていましたが全編を彩る曲はすべてザ・ビートルズのカバー曲ばかり。 なんでも撮影前ショーンペンが自分が演じるキャラクターと同じ障害を持つ人々と一緒に過ごた際、この施設にいた人々の一番のお気に入りがビートルズだったことが影響しているとか。 娘のルーシーの名前も「Lucy In The Sky With Diamonds」からとっているし主人公もビートルズマニア(オタクとも言える域)を発揮してこの映画の陰の主人公はビートルズとも言えそう。 主人公の職場はお馴染みスターバックスやピザハットだったりしますが、私はこれまでそこで働く障害者の方を見たことないのよね。 これは日本人の障害者への心の狭さの一端なのかしら。 映画の帰りまさにその店の前を通った時、この扉の奥にもサムの屈託のない笑顔と無垢な人柄があったらなぁと思いました。 ところでこの親子の『こんなに幸せなのに、どうして一緒に暮らせないの?』というフレーズや『愛する者の本当の幸せの為自分は身を引いた方がいいのか』という考えは、まるで男女の恋愛に通じるではあーりませんか。 ムムム・・・

    

2001/10/25 【 GO 】
 直木賞受賞の同名小説が原作。在日韓国人の高校生が恋、友情、父親との葛藤を通じて差別と向き合いアイデンティティーを模索していく過程が描かれています。どの書評を見てもかなり評判良いしおすぎに至っては今年の邦画No.1とまで言っているみたいだけどそれほどでも・・・。 第一ラストが甘いのが気に入らない。これは主人公が私以上に心が広いってことなんでしょうけど。 ヒロインが父親から洗脳された国籍の価値観って普通なのでしょうか???この年齢の私でさえ親からそんなこと言われた事ないだけに今どきの女子高生がこだわることにかなり違和感が・・・。 良かったのが山崎努と大竹しのぶが演じる両親で一癖あるところがカッコイイ。たくましく育てるっていう意味じゃ類をみないかも・・・。 主人公の弁にあるように祖国だの民族だのにこだわるのは「ダサい」わよ。 この「ダッセー」って言葉が在日問題に対する前向きな第一歩のような気がします。  

  

2001/6/28 【 A.I.
 一昨年亡くなったキューブリック監督のビジョンをスピルバーグが継いだ話題作。 人間がロボットと共存する未来世界版での「ピノキオ」。 身勝手で移ろい易い人間の都合でインプットされたロボットの悲しさにやるせなくて泣きどころはあるけれど このテーマは「アンドリューNDR14」でも既に投げ掛けていたような・・加えてラストに出て来る未来人?はどっかの映画でも見たことあるような・・・ってことでは公開までの厳戒体制で期待させられすぎの感も否めません。 そうは言っても CG効果も加わった未来都市の演出は小物ひとつとってもうなるほど楽しめました。  人間って純粋な一途な愛を受ける価値が果たしてあるのかな・・?

  

2001/6/04 【 JSA 】
 韓国で映画史上最大の興行収入を得たという話題作。 南北分断の歴史背景自体よく把握していない私には板門店の緊張感と逆らえない宿命に切なくなるとしか安っぽい表現しか見つからず これはかなり恥ずかしい。 朝鮮戦争以後いわばアメリカとソビエトの代理戦争として敵対するようになったことに日本も関わっているのですから単に悲しがっていてはだめよね。 敵対する国間での恋愛や友情のタブーは今更という感ですがこの映画の良さはラストに集約されているように思います。 中立国の美人調査役が完璧主義で性格的に苦手ですが感じたであろう衝撃を私達も考えていかなくては・・・  それにしてもこの映画製作をした側からのメッセージは果たして届くのでしょうか?

    

2000/10/01 【 U−571 】
 第二次世界大戦中に敵艦Uボートに乗るはめになったアメリカ人という設定です。 頼りなげの副艦長が絶体絶命のピンチをどういう手腕で乗り越えていくのかとてもスリリングで面白かったです。 深い海にこだまする圧倒的な数の爆雷音は圧巻です。 でも敵駆逐艦とこのUボートの頑丈さのあまりの違いが気になります。あんなのあり??

 

2000/9/21 【 Xーメン 】
 何の予備知識もなくタイトルだけ聞いた時「オーメン」の続編かと思いビビッタのは私だけかしら。 ホラーじゃなくてSFで本当に嬉しかったわ。 アメリカの40年続いた人気コミックが原作だそうですが馴染みのない私でも充分楽しめました。 憧れの試写会でストーリーも俳優もジャンルもわからないまっさらな状態での鑑賞というのも良いですね。 生まれつき超能力を身に付けたミュータント同士の壮絶バトル。 この超能力が奇想天外というか奇抜イエ斬新で驚き。 主演のヒュージャクマンのもみ上げがまるでルパン3世のよう。 ともかくこのミュータントの黒いおそろいのコスチュームがカッコイイ。 特に女性ミュータントはマネキン並みのまさに人間バービー人形。 元スーパーモデルや元準ミスアメリカの威力とはたいしたものです。 結局「男はつらいよ寅次郎」ならず「超能力者はつらいよ」ってことよね。 これ絶対続編ありのラストでしたから楽しみだわぁ。

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