「携帯もパソコンもTVもなかったのに、どうしてもあんなに楽しかったのだろう」と謳っているように東京タワーが完成する年の豊かではなかったけど明日への夢があった昭和の時代。昭和33年はまだ生まれていなかったのでまさに親の青春世代でしょうが、なんという懐かしさでしょう。巷でも白黒テレビで力道山の試合を見せ懐かしいポスターを貼りBGMに昭和歌謡を流す飲み屋さんが人気です。この映画での当時の再現した映像はあまりに見事で一見の価値あり。駄菓子屋、ちゃぶ台、空き地の土缶、たばこ屋etc本当にディテイルが感動もので楽しめます。自分が子供だった頃にタイムスリップし、子供の頃田んぼの向こうに見た夕日を思い出しました。子供の頃、雑誌の付録には東京タワーの組立工作が入っていたっけ。忘れかけていた記憶が次々浮かんできます。
つぎ当てのセーター、子供の好物の焼鳥、クリスマスプレゼント、見えない指輪、故郷の母etcと何箇所ものエピソードに熱くなります。クリスマスについては親の立場として自分を重ねて、(これでも私もまともな親なのです)子供の夢を守ってあげる大人の愛にじ〜んとなりました(自己陶酔)。が、反面気になったのがこの映画を観る子供達と出演の子役。この子達はこの映画を通じて夢が壊れちゃうのでは?
フツウだったことがフツウじゃなくなって、当時のフツウを求めるのが難しいけれど、せめて人間関係はずっとずっとフツウでありたい。
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