わ行     99年夏以降 劇場で観た新作映画の感想です (基本的にビデオ・DVD鑑賞した作品は含みません)



ワールド・オブ・ライズ
わが教え子、ヒトラー
わすれな歌
私の頭の中の消しゴム 
「わたし」の人生(みち)我が命のタンゴ 
ワルボロ
onceダブリンの街角で










2012/12/25 【 「わたし」の人生(みち)我が命のタンゴ 】
シアタープレイタウンの閉館により最後の上映となった「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ を観た。
和田監督は精神科医として長年老年医療に取り組んできたということで実体験で得たと思われる認知症介護のリアルな問題が描かれる。父娘ともに大学教授という設定がミソで、現役バリバリの教授でも症状が進行することも、比較的理解ありそうな大学という組織の中で介護離職せざるおえなくなるというのもリアルでその怖さにはっとさせられる。
予定調和な展開ながら、各種手続き・介護する側のセラピー・介護施設のメリットなど監督ならではの提言が織り込まれている。
楽しく体を動かすタンゴが認知症患者に効果があるというのも納得できる。ただタイトルにあるような「我が命のタンゴ」という程、タンゴがメインに描かれているわけではないので、タイトルが硬いし仰々しい感も。
介護される橋爪功もする秋吉久美子もそれぞれのやり切れない葛藤や苦悩がひしひしと伝わる中で、小倉久寛が演じた施設での医師の存在がで全体をやわらかくほっとさせてくれて救いとなっている。





2009/2/11 【 わが教え子、ヒトラー 】
わが教え子、ヒトラー」を観た。
初めてヒトラーをユダヤ人監督が描くという。独裁者ヒトラーに演説を担当した教師がいたという史実を‘もしその教師がユダヤ人だったら・・・’という発想からコメディ形式にしたのだとか。
主演の教師役が「善き人のためのソナタ」のウルリッヒ・ミューエで本作が遺作いうことも注目。ヒトラーを演じたのが本国ドイツで有名なコメディアンだそうで、この俳優がヒトラーを演じたこと自体がビッグニュースだったそうだ。この心身ともにボロボロに疲れきってジャージ姿で引きこもっているヒトラー姿は見事。過度な敬礼のナチなども含めて 徹底的に茶化している・・・けれど、それほど笑えるものではなかったような。
ラストにつながる冒頭シーンの演出は良かった。




2009/1/4 【 ワールド・オブ・ライズ 】
ワールド・オブ・ライズ」を観た。
中東を舞台にCIAとテロの駆け引きを描くアクション映画。
ディカプリオとラッセル・クロウの「どちらの嘘が世界を救うか?」という宣伝文句に惹かれて見たのだけれど、このキャッチコピーなんか違うでしょ。この二人のそれぞれの嘘の駆け引きを期待すると逆に違和感が・・・。
どちらかというとディカプリオが間に挟まって苦労する上司のホフマン(ラッセル・クロウ)vsヨルダンの諜報機関のボスのハニ(マーク・ストロング)の対比の方が見どころで、外見も含め、CIAの最新諜報vsハニの原始的活動も対比は面白い。
スパイ活動のおそろしさは拷問シーンも含めてよく伝わってきた。拷問シーンの臨場感に心臓バクバク。
それにしてもディカプリオは「ブラッド・ダイアモンド」のタフガイを彷彿させるf路線で今回の役柄も体型もマッチョ感が増したなぁ。





2007/11/5 【 onceダブリンの街角で 】

アイルランド映画「onceダブリンの街角で」を観た。

全米で2館の公開から口コミで132館まで上映館を増やしたそうだ。アイルランドで絶大な人気のザ・フレイムスのボーカルが主演。監督はザ・フレイムスの元ベーシスト。
ストリートミュージシャンとチェコ移民の2人は音楽を通し、恋とも友情ともつかない感情を歌が代弁している。心を打つメロディーと身近な言葉で綴られる歌詞で表現した歌がいくつも挿入される。まさに愛より強いメロディだ。そしてこの男女には役名がない。有名になるにはアイルランドからロンドンに出て行く。
ギターひとつで飛び立とうとする彼も、無償で積極的にその手助けをする彼女も、市井の人々へのさりげない希望の象徴。





2007/9/10 【 ワルボロ 】

原作からのファン「ワルボロ」を観た。
原作は「これからオレの話をしようと思う」から始まっている言葉通り原作者のゲッツ板谷自身を投影している。タイトルの「ワルボロ」は「みんなワルくてボロかった」という言葉から。
1980年代の立川市を舞台にしたヤンキー仲間の友情と勢力争いの日々を描いている。当時の「陰気で退廃的でどうしようもない町」に生まれた人間はダメな町から飛び出すために勉強するかバカな喧嘩を繰り返してグダグダの人生に突入していくかのどちらかだったらしい。
そしてなんとぬあんと影武者さんは世代も近くまさにその立川で暮らしていた。ということでこの映画には記憶にある懐かしさも期待したようですが、・・・今でこそ小ジャレた街になり当時の面影も消え、立川ロケはほとんどできなかったそうで残念。その代わりどーしようもない街として多くのロケは高崎で行われたそうだ。高崎・・・そんなに酷いところなのか 高崎市民 ビミョウだわねぇ(-_-;) 
あと影武者さんが通学したショー中(昭和中学)は原作に登場する立川狩り」企てた首謀ながらカットされていた(-_-;)

肝心の映画は、中学時にツッパリボンタンを知っている世代にはかなり楽しめる。今じゃ見かけないボンタン世代って何歳くらいなのだろう。

学ラン屋のピエール滝のきれぶりは圧巻。が、どうも印象が違うのが主人公の伯父でヤクザを演じた中村トオル。圧倒的な恐怖感を与える毒蝮のような人物であるハズがピラピラしたチンピラに描かれていてイメージと違った。
メインの錦組の6名は似たり寄ったりのつっぱりルックなので1人1人のキャラをもっと丁寧に描いてくれたほうが良かったかも。

最後に「そんなに立川市民は立川を嫌っていたの?」という質問に影武者さんは「立川以下なのが国立!お高くて何様ょ フン」と切り捨てた。原作にある三多摩のスラムと呼ばれた立川とおよそ三多摩らしからぬ国立の民度意識の違いが映画ではカットされたのも残念。だけど、影武者さんが根っからの立川人ってのが判明。

サントラは ブルーノート→ハイロウズ→byクロマニヨンズ ♪ギリギリダダダン がまさしく直球。





2005/10/29 【 私の頭の中の消しゴム 】

今日長女が見慣れない服を着ていたので問いただしたら「昨日の夜見せたでしょ。覚えてないの?」と言われマジにショック。昨夜は毎度のことながら酔っ払ってぼけっとTV見ていたらしいのですが全く記憶無し。アルツハイマーはこのレベルじゃないことを考えると記憶が飛ぶ原因がアルコールと思えばある意味救われるのがこの映画。

この作品で日本での人気も定着すると思われているチョン・ウスンは下馬評通りすっごく素敵でたいていの女性はメロメロでしょう。それだけにヒロインが不倫も経験し、男性に自らアプローチもでき、結婚へ半ば強引に進める中で、彼氏からも「君は自信過剰だ」という痛い台詞を言われるくらいあまりに今時のムスメさん像なのにちょっとひいてしまいました。(天然ボケも入りすぎかも)あんな良い男がこーいう女性を好きになる?みたいな()  でもこのヒロインが病気を通してひとつの決断をするに到るという人間性の成長の変化を描きたかったのかもしれません。

この医者は病名を直接本人に通告します。何故なら準備できるから・・・。酷ですが第三者として確かにこれは必要だと思えるだけにやりきれない。アルツハイマーというと今年では「君に読む物語」がありましたがこーいう時こそ愛が試されるもの。影武者さんには実際この病気をかかえた知り合いの一家がいたそうで晩年のその過酷さは映画の比ではないそうです。

ところで、先日TVの情報番組で「私の頭の中の消しゴム」の試写会でガテン系200人も号泣というのを見たのでタオルを持参し泣きを期待し過ぎたのが逆に泣けない原因になったのかも。プラス 隣のおばちゃんに早速泣きが入り次から次へティシュを出すクシャクシャした音と、反対側のおじさんがズルズル鼻をすするのが「許すからイイエ頼むから思いっきり鼻かんでぇ〜」というくらいあまりにひどく耳押さえた程。許せない。鑑賞後ぶつぶつ文句言っていたら「許すの。人を許すことは、心の部屋を一つ開けることって映画で言っていたでしょう」と影武者さんに諭されました。観終わって「私がアルツハイマーになったらどーする?」とぶつけたところ「大丈夫よ。今だって半分そうだから」と言われ返す言葉を失いました。




2003/02/06 【 わすれな歌 】
タイ映画。 愛し合った新婚夫婦の夫が兵にとられたことから始まった破天荒な夫の運命を笑いあり涙ありで描くラブストーリー。 何故か歌手になっていくんだけどこの夫の残してきた妻への歌がとってもココロに染みるのよー。 会いたくて会いたくて切ない思いが溢れてんの。 ♪忘れないでおくれぇ〜♪or♪1000人の女も妻1人にはかなわない♪ ってフレーズにはこっちもグスン。 怪しげな芸能プロの社長はやっぱり怪しいし、トントン拍子の歌手はやっぱりそれなりの伏せんがあるしこーいうのは期待通りで脇役もいい。 最初なんでこんなキモイ男が主演なんだと思った頼りない夫も苦労の甲斐だけあって段々にたくましくなっていったのが印象的。 とんでも男なんだけど真っ直ぐなとこが段々憎めなくなってくるから不思議。 一方ヒロインの新妻役は色々な泣き顔をみせてくれるけどどれもがキューンとなるくらい可愛い。 水と関わりあいの深いタイの暮しを美しく描く半面、この映画のっけからウンコで始まって途中もウンコシーンがいっぱい。これには参りました〜。

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